玲二の日々 5時間目
そしてついにテストが返ってきてしまった。
理科98点
国語95点
今日は70発か…。
風太が僕の答案を覗き込んでくる。
「やっぱりお前天才なんだな!」
その声に他のクラスメイトも「すごーい!」と声を上げた。
どうして0点の風太が笑っていて98点の僕がこんなに落ち込んでいるのだろう。
それはぼくの家で待っているのが鬼だからだ。
兄ちゃんが帰ってくる頃、僕はテストの答案を持って玄関に正座して待った。
少しでも情状酌量されないかと僅かな望みをかけて。
ガチャと玄関の扉があく。
「おかえりなさい。」
「玲二、テスト返ってきたのか?」
「はい。」
「見せてみろ。」
兄ちゃんに答案を差し出す。
「98点、95点、か。どうして満点とれないんだろうな?来い。尻叩きだ。」
「はい。」
「その前に、もう復習はしたのか?」
「はい。」
僕は間違えた問題を復習したノートを見せる。
「うん。」
兄ちゃんはパラパラとノートをめくり
「ここ、同じことが書いてあるぞ。勉強したのに頭に入ってないんじゃないか。ただ写すだけなんて勉強じゃないって言ってるだろ。」
「はい、ごめんなさい。」
兄ちゃんはお仕置き用にとってあるサランラップの芯を手に持った。
「椅子に手ついて」
「はい。」
「今日は70発。勉強しなかったこと反省しなさい。」
「はいっ」
僕は覚悟をきめてお尻を突き出す。
パンッパンッパンッパンッ
「うっぐっ痛いっ!」
パンッパンッパンッパンッ
痛くても僕は姿勢を崩さないように努めた。
お尻を常に突き出していないとお仕置きを受ける意思がないとみなされるからだ。
それでもずっと打ち付けられていると我慢ができなくなる。
僕はついに姿勢を崩してしまった。
「こらっ反省してないのか!姿勢を戻せ!」
この姿勢が良くない間も叩かれるのだけど回数にはカウントされない謎ルールがある。
僕のお尻は火がついたように痛い。
「痛いよ!ごめんなさい!許して!」
パンッパンッパンッパンッ
「ぎゃー!」
「ほらちゃんとお尻上げて!」
バチンッ
「ぎゃ!痛いー!」
「こら玲二!お尻どうするの!」
「突き出します!」
「突き出してないじゃん。」
バチンッ
「ぎゃ!はいっ!」
僕は精一杯お尻を突き出す。
「こんなんじゃだめだろ!反省してないのか!お尻どうするの?」
「はいっ上に向けますっ」
くいっとお尻を上向けにするとお尻の皮膚が突っ張って痛い。
「ほら、もっとでしょ!こんなんで反省してるつもりなの?」
「ごめっなさいっ」
パンッパンッパンッパンッ
「痛い!痛い!ぎゃ!ごめっなさい!許して!」