玲二の日々 4時間目
テスト中、ふと風太の方をみる。
風太は鉛筆も持たずに窓の外をみている。
その様子が僕にはとてもかっこよく思えた。
僕はこんなに必死に問題を解いてるというのに。
「玲二、今日かあさん仕事休みでさぁ、昼からばあちゃん家に行くの付き合えって、だから今日は遊びいけないや。」
風太の表情はどことなく嬉しそうだった。
僕はと言えばまたわからなかった問題のこたえを教科書とノートで確かめて落ち込んでいた。
「玲二って勉強すきなの?」
「好きじゃないよ。」
「なんだ、じゃ俺と一緒じゃん。」
風太は笑って「じゃあなー!」と言って帰って行った。
家に向かってとぼとぼと歩きながら自己採点で間違えた問題の数の合計を数える。
中には1問10点の問題もあるかもしれない。
そこを間違えてたらそれだけでお尻100発だ…。
身体がブルッと震えた。
「玲二、どうだった?」
「う、うん。」
「うん、じゃわからないよ。」
「わからなかったところがあった…」
「どうして!ちゃんと集中してやれって言っただろう?」
「はい、ごめんなさい…」
「テスト返ってきたらすぐに見せろよ。」
「はい。」